世界が無くなるその前に。
前書き
お気に入りのBlogはRSSに入れて更新チェックをしている訳なのです。その中の1部に含まれる同年代、更には同い年の人間がインテリチックな文章展開をしているのを見ると、いい具合に自分の愚かさや知的想像力の無さを再認識させて貰えるので良いですね。
レビューにもならない書き付け
ノベル含めて読みました。
planetarian ちいさなほしのゆめ メモリアルエディション
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- 発売日: 2010/04/30
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ひどい今更感は有りますが、それでも。あらすじはWikipediaでも検索して読んでください。
屑しか居ないこの世界で"こわれていない"人間を屑屋は心の奥底で求めていた。しかしそんなモノはお伽話にもならない幻想だということも共に理解していた。そんな中に現れた、冗長な会話を繰り返すロボット。(描写が無いので分からないですが)請け負った修理中の会話で、ゆめみとの距離は少しずつ近づく。更に修理によって得られた、何物にも代え難い満天の星々を共有した、たった1人の"こわれていない"モノ。屑屋が無謀だと知りながらほしみを連れて壁を越えようとした動機付けには十分でしょう。
ほしみの独白(屑屋では無く世界に語りかけていると言った方が正しいかな?)で展開される、幻想だと理解しながらも"こわれていない"世界を求め、演じる愚かな人形の姿に重なる屑屋の姿。本当の世界に気づいてしまったゆめみと、"こわれていない"世界を幻想として語った屑屋。この時点でゆめみの心は屑屋に受け継がれたのでしょう。個人的にはこの辺りで不覚にも涙しました。ウザさから感動への転移がKeyは本当上手いですね。後この時点では全く救いがなくて本当切ない気分になってたのですが、「星の人」に幾分救いが有ったので気持ち的には楽にはなりました。
SFと銘打っていますが、現状の問題も含めてこういった世界が未来に広がっていると言われても何ら不思議では無いような、少し背伸びしただけの世界観。これがより没入感を高めてくれる要素ともなってます。ノベルは地下の千年王国等々、若干非現実寄りになってしまっていますが。
ツッコミ所は有りました(プラネタリウム自体が屑屋に荒らされていなかった・今まで電波がゆめみに影響を与えていなかった等々)が、それを考えるのは野暮と言うものでしょう。心地よい読み物だったと思います。時間の制約的にこの辺りで。