ポイントサイト経由でRENOSY(リノシー)に登録して約3時間を奪われた話

結論

世の中無料でお金をもらえる甘い話はない。
金銭は労働の対価である。(賭博を除く)

背景

腐っても鯛のような企業に務めていると、電話なりメールなりで色々と投資に関する話を受ける。知名度のある会社は飛び込みの営業をする必要がないので、飛び込みで来るような会社は大体が胡散臭い企業で間違いないだろうが。
しかし、昨今の社会情勢、将来のことを考えれば投資の話も聞いてみたい。特に仕組みの部分は、良いことしか言わないことを踏まえても直接話を聞いた方が学びは多いだろう。
そんなことを思いながら、ポイントサイトを見ていると、不動産投資に関する説明を聞いてポイントが貰えるなどという、とんでもない会社があるではないか。
そんな大盤振る舞いをしていては広告費が幾ら有っても足りないのでは、と思ったのだが、どうやら年収や勤務先にハードルを設けることで、対象者を絞り込んでいるらしい。
せっかくそこそこの企業に努めていて、話を聞いて理解を深めるだけでポイントが貰えるのであればお得だろうし、投資の仕組みを知りたいのは事実だったので、話を聞こうと思い、サイトからエントリーしてみた。

概要

登録してみたのはRENOSY(リノシー)と呼ばれる会社。ポイントサイトの総合ランキングでもそこそこ上位に来ているし、評価数も多いのでそんなに変なことは言い出さないだろうと考えた。
ポイントサイトにはSNSでの宣伝禁止、と記載しているがもらえないことが確定しているので問題ないだろう。なお、結論を読んで頂けていれば分かるように実際にはポイントはもらえないのでポイント目的の人は登録してはいけない。
www.renosy.com

登録から初回電話

土曜日のお昼ごろに登録したところ、10分もしないうちに即着信。
1回目の面談について話をしたいとのことで、日程調整を実施。
その際に簡単に投資についてコミュニケーションを行う。

  • 話を聞こうと思ったきっかけと目的
  • マンション投資の印象やどのように思っているか
  • どの程度で資金を入手したいか
  • 融資判断は本人が行えるか

ポイントサイトでの登録を伝えるようサイトから指示があったため、ここで伝えた。
(結果としてこれが失敗だったのかもしれない)

1回目の面談(オンライン)

腐っても鯛のような企業であることを伝えたからか、電話口で対応した人とは異なり、そこそこ偉いと思われる人物が面談対応し、以下の話をした。

  • 話を聞こうと思ったきっかけと目的
  • 会社説明(恐らく共感からマインド・バリアを壊すための作戦なんだろうが、自己資金と共感は全く話が別である)
  • 投資目的の確認とそれに対するアプローチ
  • 他社比較での自社メリット

といったことについて淡々と説明を受ける。
1時間30分で約束をしており、話の途中でタイムアップ。次回日程調整を調整し、資料に目を通しておくことを約束し終了。

マンションの購入自体が当然ローンになるのだが、そこに加えて月々の持ち出しが発生する。売却益や完済後の家賃収入がメリットである、と言っているのだがどうにも納得できない。将来に対するリスクを考えろ、という割には将来のリスクを甘く見過ぎではないのか?不思議である。
更に入居者がいなかった場合のために「家賃保証」のプランもあるというのだ。
もはや意味が分からない。マンションは買わせるが、家賃は保証する?それであれば会社でマンションを運用すれば良いのでは?と言ったが、「手数料で利益を取っている」とのことらしい。回答になっていない。

また、非常に気になったのが、いちいち黙ってこちらが「分かりました」と言うまで話が進まない。
口に出させることで自身の納得感を生み出すことや、『さきほど分かりましたと言ったじゃないですか』と言えるようにする戦略なのだろうが、会話のテンポが悪く非常にイライラする。

2回目の面談

以下の話をした。

  • 前回の面談のフォローアップ(自分から何件か追加質問)
  • 近郊マンションの紹介と利回りについて

説明を受ける。紹介された物件は7年程度が損益分岐点となっていた。
繰り返しの内容として月々の持ち出しは説明されたが、直感的にそれ以外のリスクがあるようにしか思えない。言語化出来ない不安と考えたい旨を述べると、「早めに始めたほうが良い」と焦らせるような発言をする。営業から言えば当たり前なのだろうが、再びイライラする。
1回目の面談も踏まえ、この辺りでマンション投資はないな、することになってもこの会社を選択することはないな、という意志がほぼ固まっていた。次回のスケジュールについては調整を行わず、考えがまとまったら連絡することで合意し、ここでの説明は終了となった。

不思議な点の確認と見えてきたカラク

ここまでで変な話だと思われた方も居るかもしれないが、在籍および収入に関する確認が一切されていない。もちろん虚偽なく伝えたつもりではあるが、勝手に社名や給与額を名乗っているのではと思われる以上、普通は確認が行われるはずである。
当然ながらポイントサイト側でも条件として「お勤め先が確認できる書類を指定の方法でご提出いただくこと」が記載されており、疑って掛かるのが普通である。というわけで、初回電話の際の担当者に電話を行い、「源泉徴収票の提出が必要ではないか」聞いてみることにした。
電話時点で既に面倒くさそうな対応であったが、上記を訪ねたところ更に面倒くさそうに「契約審査の段階で提出いただくので今は不要です。」とのこと。

つまり『マンション投資を始めなければ書類の提出は行わないのでポイントも付与しません』ということである。
サイトには面談実施+条件を満たす者と記載してあるが、条件を満たす者か確認しなければ付与しなくて良いという理屈である。虚偽記載もここまでくると清々しい。
電話口ではそうですか、と伝え電話を切った。その後先方からの音沙汰はない。

上記を経て

こんな不景気に、話を聞くだけで5万も6万も進呈する会社があるのであれば、頭がおかしいとしか言いようがない。利益に対する広告費を考えても異常であるし、何時間でも話を聞いてやろうと思う。
成立させるためにはどこかで受け取らせない作戦を行うしかなく、その結果が上記のような水際戦略になる、と推察される。しかし、同様に同社に登録し面談を行い、ポイントを貰っている方のブログを見てもそのような話はない。
一方、このサイトは過去から同様の取り組みを行っており、2022年度や2021年度の記事は複数あるのだが、最近の記事は見当たらない。ということは近年になって戦略を変えてきた、ということであろう。
私が出来るせめてもの抵抗、あるいは真摯に対応しなかった相手への罰として、このようなしょうもないブログを書き、時間を無駄にする人が1人でも減るように、何ならこの会社と契約する人間が1人でも減るように祈るばかりである。

ちなみに検証として、別のマンション投資企業にも同サイトからアポを申し込んでいる。
同様の手法であれば、そもそもポイントサイトの掲載自体が宣伝広告ばかりであり、そもそもポイントを渡すつもりはない、ということになるのだろう。世の中、良い話はないということである。

さいごに

私もその手法自体に非難されるところはあるかも知れないが、投資のカラクリを学ぶのは非常に良い機会であったと思っている。事実、面談での議論は有意義であったと思っているし、古い知識(東京都心への流入率は減っていると思っていたが今年転入増)のアップデートなどインプット自体はあった。
久々にそれほど深い付き合いではない人間とコミュニケーションを取ることが出来て楽しかったし、喋りながらの思考することに対する練習、キャッチボール時の注意点といった点も気付きとなった。
だがもう1度しろと言われたら…もういいです、と言った感じである。