「コスプレ売り子阿武隈改二」を買おうという話(感想を含む)

話の結論

めっちゃコスプレセックスがしたい!!!!
あーーーーイチャイチャセックスしたい!!!

コスプレ売り子阿武隈改二

 同人誌の存在はTwitterで企画がぶち上がった頃から知っていて、sex friendsとかsex syndromeが好きな私にとってはズバリな、冬コミ枠では期待大な作品だった。
 ただ、紙媒体というか、物自体をあまり増やしたくない持ちたくないという私自身の都合により買いあぐねていた。
 それならば、笹松殿に「電子書籍は出ないのですか!?」とReplyを送れば万事解決なのである。
 ただ、私は基本的にツンデレなのでこんなことしか言えない。


 素直におしゃべりできない。コミュ障か。
 そんなことを思いながら約3ヵ月が経った2/9の夜、それは起きた。
 私は深夜1時の布団の中で、財布からクレジットカードを取り出し即購入した。
 流れのままZIPを解凍し、うす暗い部屋の中でスマホのpdfリーダーを立ち上げ、勢い任せに読んだ。
 すみません、抜きました。
 内容の熱量があまりにも凄かった。良い。好きだ。
 届木ウカ様もこう言っている。「好きは伝えないと」
 こうして勢いのみの数年ぶりの紹介記事を書いているという次第だ。

あらすじ

「コスプレ売り子とオフパコえっち、しませんか?」
阿武隈のえっちな同人誌を描いているサークル主コスプレ売り子をお願いすることに。
なんと自分の作品が大好きだという、そのコスプレ売り子は、
大阪でのオールジャンル即売会でも売り子をしてくれることに。
イベント翌日は大阪観光をしたいということで……。
果たして、コスプレ売り子の真意とは。

 感想をフォローするため、このあらすじに追記する。
サークル主の名前はキョースケ。レイヤーの名前はナナ。
時系列は夏コミ→(夏冬2回経つ 描写のみ)→夏コミ→大阪→セックスと進んでいく。

感想

plos

  • 108円!?!?!?72Pで!?!?!?!?は!?!?!?

 とにかく安い。ページ単価のバンジージャンプや。
 むしろ安すぎるからもう少し払わせてくれ。540円でも売れる。

  • 抜き取られたものではなく連続的な世界

 これはAVにはない、まさに官能小説の利点だと思う。挿入して出すだけならAVで良いんだよ!
 当然の細かな性描写に加えて、そこにたどり着くまで、そこにたどり着いてからの空気感、雰囲気、心情の描写はコメディタッチの中でも忘れていない。
 特に、女性側の心理をフォローしているのは好印象。

  • 童貞の理想像

 ナナちゃんが可愛くてエロい。もう何もかもが可愛いのに、あんなに懐かれたら即落ちしちゃうよ。
 色々と言いたいことはあるが、騎乗位中田氏は本当にずるい。
 私だったら、多分下心出して次回以降受けてもらえないだろうなあとか思った。
(童貞の心を忘れていない本作品が素晴らしく、笹松殿を童貞と罵っていないという事実は書いておきたい)

  • 現実世界とのリンク

 逆三角形、インテックス大阪、新世界、あべのハルカスという現実建築物の名前がバンバン出てくる。
 コミケの設営や熱気感もまさにといった描写で、読者に対して「もしかするとこれは現実なのでは?」という錯覚感を起こさせる。
 実名を堂々と使っていくスタイルは、同人小説という媒体を全力で活かしている。

  • 「人徳」という側面

 ナナが作中で発する「人徳だね」という発言。これは実はこの作品の裏のテーマだと思っている。
 主な人間関係は、キョースケとナナ、ナナと元カレ、キョースケと知人、直接的な描写はないが元カレと現カノ。
 様々な人間が絡みゆく中で、キョースケの人徳のなせる業といった描写が映る。(Twitterフォロワー、売り子、串カツetc...)
 人徳がなければこんなオフパコは出来ませんよ!という作品自体が界隈に釘を挿すというメタ構造となっている。
 しかし、この人徳描写は逆に描写されていない側面に対してミスリードを誘う。
 元カレの本当の機敏は?ナナの側面ではバイアスによって間違っているのでは?風の噂も本当は嘘なのでは?
 もちろんナナもキョースケもクズな部分があるのでは?話し合いでも許容できない部分もあるのでは?
 それが作品では観光へ向かっていく描写で締めくくられる「行く先は天国か地獄か」という一言に集約されていると私は感じた。
 ただ、この2人ならきっと大丈夫。人間とは折り合いをつけて生きていく生き物なのだから。

cons

  • ナナと元カレの関係 キョースケの関係

 女性側の心の機微を男性が描くのは大変難しいこと、あくまで「官能小説」ではなく「R-18同人小説」であること、
 P数は限られていることを重々承知の上でのマイナス点。
 「人徳という側面」でも書いた通り、ナナの心理的描写と人徳的側面があっても良かったと感じています。
 ただ、キャラクターを深堀するということは設定を作るということ、キャラクターの世界を広げつつも狭める行為をすること。
 今くらいの世界観が、ぬるま湯のようなちょうど良い塩梅なのかと感じる所もあってまた難しい。
 これじゃマイナス点になってないじゃないか!

  • キョースケは童貞じゃないのでは

 ろくろ回してる描写くらいで、どうみても童貞じゃないじゃないか!(私怨)
 ストーリー上仕方ないとは思いますが、翌朝の描写は童貞ではないと感じるのは私だけか。
 プリケツ叩きてえよな俺もな。

結局のところ

 色々書きましたが、濃厚かつ描写力が高い作品にも関わらず、後味は世界を広がらせつつさっぱり、という良作だと思います。
 アフター出ないかなと思いながらも、「これ以上追うのは野暮」という作者の気持ちが見え隠れしている一文も理解できるといったところ。
 折角友人も出てきてくれたことですし、クロスオーバーなんてのも乙なものなのかもしれません。

しっかりとした宣伝

 最後になりましたけれどそんな笹松殿の同人誌はこちら。
 現状、週間ランキング3位です。すごい!
 小説作品がここまで上り詰めるのは、かなりの快挙ではないかと思います。
 みんなも今すぐ!買おう!
www.melonbooks.com